ここでは、海外学振 PD 内定から渡航までの準備スケジュールについて簡単にまとめつつ、自分なりに気を付けたこと、もしくは「こうしておけばよかった」と思うことを列挙していきます。
なお、私は古生物学が専門なので、化石輸送の手続きや実際の投稿の際に特殊な手順があり、他の分野の方々には関係ないものがあるかもしれません。その点は適宜飛ばしてください。
全体のスケジュール
(年度初め(4 月)から渡航を開始すると仮定)
※海外学振では渡航開始時期を調整できるので、もし手続き等が遅れても臨機応変に前後できるのでご安心ください。
10 月頃 ≪内定通知を受け取る≫
・日本と海外の受け入れ先にまず内定の連絡:特に内定先には、実際に研究を進める際に重要になる研究設備についても改めて確認しましょう。古生物学分野ではカメラや顕微鏡などです。
・ビザ取得に関わる書類の情報収集:自身でも申請は可能ですが、個人的にはビザ申請代行会社にお願いすると良いです(フランス:プリミエ https://www.premier-france.co.jp/)。
・該当国でポスドクをしている人にコンタクト(できる限り近い分野の人):今は SNS が発達しているので、おそらくその方もビザ関係で苦労しているはずなので親切であるはず……。
12~1 月頃 ≪ビザの本申請+航空チケットの手配≫
・ビザ本申請:フランスの場合は東京で直接本人が申請しないといけないので、遠方の方は前泊などが必要です。ビザの受け取りは 2~3 週間後。
・航空チケットの手配:約 3 カ月前頃から航空券が手配できるはずです(会社によって異なる?)。この時、化石の輸送が必要な場合は直行便を選択することをお勧めします。ロストバゲージがあると研究に支障が出るので。
・重要書類の翻訳:自身の戸籍謄本や学位記などの翻訳書があると便利です。
2~3 月頃 ≪研究関係の身支度≫
・海外保険の加入
・化石資料等の輸送準備:日本語と英語の両方の承諾書を作成する。この時、必ず館長等から自筆のサインをもらい、原本と化石が必ず一緒にあるようにしましょう(詳細が必要な場合は大山に直接コンタクトを取ってください)。
・上記に合わせて、できれば航空会社に事前に化石資料の持ち込みについて連絡すると確実です。知り合いの研究者は、研究資料に一部液体が含まれていたため、手荷物検査の際も含めてかなり綿密に連絡を取り、持ち込んだようです。
航空会社の方も丁寧に対応してくださるはずなので、大丈夫です。
いざ渡航!
・受入研究者の方々へのお土産もしっかり準備:日本酒や日本のお菓子は大変喜ばれます。地味にポン酢が喜ばれました。もちろん自分のための日本食も。
・化石資料は手荷物に!ハンマーやタガネなどの調査道具は預け荷物に!
≪渡航後もなかなか壮絶です。続きは次回≫
上記のスケジュールを見てもわかるように、「とにかく先に先に進めること」が大切です。
ビザ申請の際など、原本が必要な場合もあり、渡航先(海外)からスムーズに届かないことがあります。
特にフランスのようにヨーロッパ圏の場合、長期休暇(バケーション)がランダムに発生し、人によって取る日数が異なります。
つまり、受け入れ研究者だけでなく、事務員の方やサインが必要な研究室のボスが長期休暇に入ると、事務手続きが進まない場合があります。
そのため、内定が決まったらまず受け入れ研究者に連絡を取り、日本側と渡航先側の必要な書類をすぐに調べてリスト化し、作成しましょう。
ちなみに、日本もかなりの書類文化ですが、フランスも負けず劣らずの書類文化です。
フランスの場合、しっかりと書類が揃っていれば対等に議論ができます。
ただし、書類がなければ、全く話を聞いてくれません……。
(2025 年 2 月 22 日:帰国まであと 20 日ぐらい?の大山)
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